泉南市議会ウォッチ 第6弾:令和7年第3回定例会、議案上程日の質疑は2件だった

泉南市議会ウォッチ

泉南市議会の令和7年第3回定例会は、令和6年度決算の認定を中心とする会期だった。本記事は、公式会議録(令和7年第3回定例会 第4号、継続会)をもとに、議案が一括して上程された日の内容を整理する。会議録によれば、議長(堀口和弘議員)が午前10時45分に開議し、午後0時18分に散会している。

この日の議事

議事は、例月現金出納検査結果報告4件、報告2件(令和6年度健全化判断比率、同資金不足比率)、議案第1号〜第34号の上程だった。議案第1号・第2号は委員会付託を省略して採決され、第3号以降の議案は委員会に付託された。決算認定18件(議案第15号〜第32号)は、令和6年度決算審査特別委員会を設置して付託することが、異議なしで決定した。

健全化判断比率:4指標の報告

阿児和成副市長は報告第1号で、令和6年度の4指標を次のように説明した。

  • 実質赤字比率:一般会計等の実質収支は約3億1,000万円の黒字であるため算定されない(早期健全化基準12.82%)
  • 連結実質赤字比率:全会計の実質収支額等の合計は約6億7,500万円の黒字であるため算定されない(同17.82%)
  • 実質公債費比率:令和4〜6年度の3か年平均で8.1%(基準25%)
  • 将来負担比率:31.7%(早期健全化基準350%)

報告第2号の資金不足比率は、対象の下水道事業会計に資金不足がないため該当しない、と伊藤好幸都市整備部長が説明した。

経常収支比率98.2%をどう評価するか

報告第1号に対しては、大森和夫議員が質疑を行った。大森議員は、前年度に経常収支が100%を超えた経緯に触れたうえで、令和6年度は98.2%と前年度より3.0%改善したことをどう評価しているか、どのような取組でどんな効果があって改善したのかを尋ねた。

清野智久総務部長は、次のように答弁した。

「令和5年と令和6年との差をもって若干改善したからという形で、安心できる状況にはないというふうには考えております」

答弁は、扶助費など社会保障関連経費の増加の見込みと、公共施設に資金を投じた場合の公債費(返済)の増加の見込みを理由に挙げている。会議録上、改善の要因となった個別の取組の名称は、この答弁には出てこない、という事実がある。

固定資産評価審査委員会委員の選任(議案第1号・第2号)

議案第1号は、任期満了となる委員の後任として市橋直子氏を選任する同意案件、議案第2号は津木雅規氏の再任に同意を求める案件である。

議案第1号の質疑で田畑仁議員は、市橋氏が過去に監査委員を務めた間の議会での監査の在り方を巡る議論に触れ、今回の就任を快く受けてもらったのかを尋ねた。山本優真市長は、市橋氏が平成28年11月から令和6年11月までの8年間、監査委員を務めた経験があること、そして次のように答弁した。

「この議場の場において当時の監査委員という立場で、非常に的確かつ厳しい御指摘をいただいた経緯もございましたので、それも踏まえた上で、お引受けをいただけるような環境にあるのかということを確認させていただきました」

大森議員は同委員会の役割を尋ね、市長は、固定資産課税台帳に登録された価格に関する不服の審査決定を行う機関だと答えた。審査件数は、令和元年度0件、令和2年度1件、令和3年度2件、令和4年度0件、令和5年度0件、令和6年度2件で、委員は現在3名とのことだった。両議案とも討論なしで、異議なしで同意された。

契約議案3件:動産の買入れと工事請負2件

いずれも質疑の通告はなく、総務産業常任委員会に付託された。

  • 議案第3号(動産の買入れ):職員用ノートパソコン210台および附属品一式、設定作業を含む。契約の相手方は株式会社大塚商会LA関西営業部、契約金額は税込4,257万円。一般競争入札で、入札参加申請は4者、うち2者が辞退した。落札額は税抜3,870万円、予定価格は税抜7,400万円と説明された。
  • 議案第4号(旧鳴滝第一小学校他除却工事):旧鳴滝第一小学校と旧鳴滝幼稚園の建物等を除却する工事で、杉本建設株式会社、税込3億5,352万3,500円。
  • 議案第5号((仮称)市営前畑住宅C号棟新築工事):地上2階建て鉄骨造、18戸を整備する工事で、杉本建設株式会社、税込3億7,176万3,700円。

議案第4号・第5号はいずれも入札に2者が参加し、2者とも同額の最低制限価格で入札したため、抽せんで落札者を決定した、と阿児副市長は説明している。

一般会計補正予算(第5号)

議案第10号は、歳入歳出にそれぞれ7億55万3,000円を追加し、総額を328億5,193万5,000円とする補正予算である。歳出では、国支出金・府支出金返還金3億7,003万2,000円(過年度分の精算額確定に伴う返還金)、財政調整基金への積立金1億5,518万5,000円(前年度繰越金の2分の1の積立て)が説明された。歳入では、繰越金3億1,036万9,000円(令和6年度の黒字額の繰越し)、地方交付税3億2,457万8,000円、財政調整基金繰入金2,118万円の増額が計上されている。

基金への積立金と基金からの繰入金が同じ補正予算に含まれている、という事実がある。これについての質疑はなく、令和7年度予算審査特別委員会に付託された。

決算認定18件の上程

会計管理者の川口哲生氏は、令和6年度一般会計の決算額を、歳入287億9,431万2,543円、歳出284億6,427万9,273円、歳入歳出差引残額3億3,003万3,270円と説明した。国民健康保険事業特別会計の差引残額は672万7,215円、介護保険事業特別会計は7,135万1,681円、後期高齢者医療事業特別会計は3,439万6,180円だった。監査委員は、8月7日(一般会計・特別会計等)と8月8日(下水道事業会計)に審査を行い、計数は帳簿・証書類と符合していると報告した。質疑の通告はなく、特別委員会の委員として8名(中田佳子、工藤智恵子、松本直也、竹田祐平、井上実、田畑仁、大森和夫、古谷公俊の各議員)が議長から指名された。

裁判上の和解2件(議案第33号・第34号)

追加提出された2議案は、いずれも泉南市新家財産区を被告とする大阪地方裁判所岸和田支部の訴訟(所有権移転登記手続事件、池の利用権確認請求事件)で、令和6年9月19日に同裁判所が和解解決の見解を示したことを受け、原告・被告・利害関係人の泉南市で協議した結果を和解として成立させるものだと説明された。和解費用の負担や池の水質保全に関する条項が含まれる。質疑はなく、総務産業常任委員会に付託された。

この会議録から読み取れること・読み取れないこと

この日の本会議では、監査報告4件・報告2件・議案34件のうち、質疑が行われたのは報告第1号と議案第1号の2件にとどまる(議案の内容は、委員会付託後の審査に委ねられている)。委員会での質疑や、補正予算・契約議案の審査内容は、この会議録には含まれていない。

問い

歳入歳出差引残額3億3,003万円余と、補正予算に計上された繰越金3億1,036万9,000円には差があるが、この会議録にその内訳の説明はない。また、経常収支比率98.2%を「安心できる状況にはない」とした答弁の根拠は、続く決算審査特別委員会の質疑でどのように扱われたのか。次回以降、会議録と財政資料で確認したい。

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