第6次泉南市総合計画は令和5年度(2023年)から令和14年度(2032年)までの10年計画で、24の施策それぞれに成果指標(KPI)が設定されている。gikai.shizuku.netでは施策1から順に、現状値と目標値の関係を確認していくシリーズを継続している。
第9弾は、分野別政策2「『しごと』を生み出す・にぎわいを創出する」の施策9「観光」。
指標と数値
計画本体に記載された成果指標は次の通り。
- 成果指標名:「休日滞在人口率」
- 現状値(令和3年):1.09
- 目標値(令和14年):1.15
計画本体には「数値:R3.1〜12月の月平均を表示」という注記が付されている、という事実がある。
現状値から目標値までの伸びは0.06ポイントで、増加率にすると約5.5%にあたる。これまで確認してきた施策1(現状値比+約6.0%)、施策2(+約14.6%)、施策3(+約3.3%)、施策4(+約3.6%)、施策5(+50.0%)、施策6(+約27.1%)、施策7(+400%)、施策8(+約11.7%)と並べると、施策9の伸び率は施策3・施策4に次いで、このシリーズの中で3番目に小さい、という事実がある。
この指標は何を測っているか
総合計画の資料編(用語解説)には、この指標について次の定義が記載されている。
滞在人口÷国勢調査人口(総務省「国勢調査」夜間人口)で表される滞在人口のうち休日の率。指定地域の指定時間(4時、10時、14時、20時)に滞在していた人数の月間平均値を表している。
この指標は、市内を訪れた観光客の人数そのものを数えたものではなく、休日の指定された4つの時刻(4時・10時・14時・20時)に指定地域内に滞在していた人数を、国勢調査上の夜間人口と比較した比率の月平均である、という事実がある。同じ人が長時間滞在しても、複数の人が短時間ずつ入れ替わって滞在しても、指定時刻に滞在人数が積み上がっていれば数値は上がる、という事実がある。
計画には、この施策の「目指すまちの姿」として「地域資源がいかされ、人びとが行き交う観光・交流のまち」が掲げられている。
施策の背景・取組として挙げられていること
「施策に関する主な泉南市の取組状況・背景」には、次の記述がある。
- 社会情勢の変化により、令和2(2020)年以降の訪日外国人旅行者が大幅に減少しているとともに、マイクロツーリズムへの需要が高まっています。
- 観光協会と連携した本市の観光魅力のPRや、デジタルサイネージを活用した観光情報を発信しています。
- 広域連携による地域の魅力向上、国内外に向けた情報発信を行っています。
- 農業・漁業体験と観光をつなげることによる多世代、多様な人びとによる地域活性化を推進しています。
「実施する主な取組」には、次の2本柱が示されている。
- ①観光の振興(目指すべきコンセプト・ターゲットの明確化、泉南りんくう公園(SENNAN LONG PARK)来園者を内陸部へ周遊させる取組、インバウンドを含めた受け入れ環境の整備・向上、農漁業体験と観光をつなげた体験型観光の促進)
- ②観光魅力のPR(地域資源・観光資源の市内外への発信、SNSやデジタルサイネージ等による観光情報発信、広域連携によるPR)
課題として挙げられていること
「施策に関する主な課題」には、次の記述がある。
- 市の魅力向上のため、市内の観光資源(自然・文化・歴史・産業)のさらなる磨きあげが必要です。
- 市の認知度向上のため、SNSの活用等、情報発信力の強化が必要です。
- 観光情報の多言語化等により、幅広い観光客層に対応する受け入れ環境の整備が必要です。
実績の推移は確認できるか
令和5年度・6年度の実績値が公表されているかどうかについて、本シリーズで参照できた一次資料の範囲では裏付けが取れなかった。泉南市の行政評価結果報告書のうち今回確認できたのは総合的政策(施策20〜23)分のみで、分野別政策2(施策7〜10)の実績更新データは含まれていない。
一次資料
- 第6次泉南市総合計画 基本計画(分野別政策2):https://www.city.sennan.lg.jp/material/files/group/4/kihonnkeikaku2.pdf
- 第6次泉南市総合計画 資料編(用語解説):https://www.city.sennan.lg.jp/material/files/group/4/sougoukeikakushiryou.pdf
- 第6次泉南市総合計画 ページ一覧:https://www.city.sennan.lg.jp/kakuka/gyouseikeiei/seisakusuishin/seisaku/seisakukeikaku/sogokeikaku/1455072819355.html
休日滞在人口率は、訪れた人の頭数ではなく、指定された4つの時刻に指定地域内にいた人数の割合を測る指標である。1.09から1.15への0.06ポイントの上昇は、来訪者数の増加、滞在時間の延伸、あるいは市内での周遊行動の変化のうち、どれによってもたらされることが想定されているのだろうか。


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