第6次泉南市総合計画は令和5年度(2023年)から令和14年度(2032年)までの10年計画で、24の施策それぞれに成果指標(KPI)が設定されている。gikai.shizuku.netでは施策1から順に、現状値と目標値の関係を確認していくシリーズを継続している。
第14弾は、分野別政策3「くらし」を守る・快適にするのうち施策14「道路・交通」。
指標と数値
計画本体に記載された成果指標は次の通り。
- 成果指標名:「コミュニティバス利用者数」
- 現状値(令和3年):133千人
- 目標値(令和14年):158千人
現状値から目標値までの変化幅は25千人の増加、現状値に対する比率にすると約18.8%の増加を求めている、という事実がある。施策14は施策12・13の減少目標から一転し、本シリーズで4件目となる二桁パーセントの増加を目標とする指標である。現状値からの増加率約18.8%は、施策2「行政委員・審議会委員等における女性登用率」(+14.6%)や施策8「市内事業所数」(+11.7%)よりやや大きく、施策6「学習活動等に活用された文化財の件数」(+27.1%)や施策11「自主防災組織の組織率」(+28.6%)よりは小さい水準に位置する、という事実がある。
施策の背景として挙げられていること
「施策に関する主な泉南市の取組状況・背景」には、次の記述がある。
- 交通渋滞解消や災害時の交通機能維持のため、都市計画道路の整備や無電柱化等を進めるとともに、身近な移動手段として、自転車の活用を推進する取組を進めています。
- 老朽化した道路構造物の急増に備え、長寿命化計画に基づき、定期点検や修繕を行っています。
- コミュニティバスの路線の見直しやダイヤ改正、高齢者や交通弱者向けの補助金制度等を行っています。
施策14が目指すまちの姿は「主要拠点にアクセスしやすい交通網が整備され、誰もが快適・安全に移動しやすいまち」であり、背景として挙げられている取組は都市計画道路の整備・無電柱化・橋梁等道路構造物の長寿命化・コミュニティバスの4分野にまたがる。目標値として設定された成果指標は、このうちコミュニティバス利用者数の1本のみである、という事実がある。
課題として挙げられていること
「施策に関する主な課題」には、次の記述がある。
- 交通渋滞解消や安全性確保のため、道路のさらなる効果的な整備が必要です。
- 自転車走行空間の整備と自転車の活用を市民に対し周知・啓発していくことが必要です。
- 老朽化した道路構造物の効率的な維持管理が必要です。
- コミュニティバスの路線の見直しやダイヤ改正等により、さらなる利用促進が必要です。
- 山側の交通弱者の支援や公共施設、観光名所を巡回する新たな公共交通の検討が必要です。
- 市域内の経済をより循環させるため、関西国際空港へのアクセス性の向上が必要です。
実施する主な取組は、①道路環境の整備 ②多様な交通手段の利用・導入促進 ③広域ネットワークの構築の3本に整理されており、関連する主な個別計画として泉南市自転車活用推進計画・橋梁長寿命化修繕計画・泉南市都市計画マスタープラン・道路舗装の個別施設計画の4件が挙げられている、という事実がある。
実績の推移は確認できるか
令和5年度・6年度のコミュニティバス利用者数の実績値が別途公表されているかどうかについて、本シリーズで参照できた一次資料の範囲では裏付けが取れなかった。泉南市の行政評価結果報告書のうち、Google Drive上で確認できたのは総合的政策(施策20〜23)分のみで、分野別政策3(施策11〜15)の実績更新データは含まれていない、という事実がある。
一次資料
- 第6次泉南市総合計画 基本計画(分野別政策3):https://www.city.sennan.lg.jp/material/files/group/4/kihonnkeikaku3.pdf(p.76-77)
- 第6次泉南市総合計画 ページ一覧:https://www.city.sennan.lg.jp/kakuka/gyouseikeiei/seisakusuishin/seisaku/seisakukeikaku/sogokeikaku/1455072819355.html
施策14「道路・交通」が目指すまちの姿は「主要拠点にアクセスしやすい交通網が整備され、誰もが快適・安全に移動しやすいまち」であり、実施する主な取組には道路環境の整備・多様な交通手段の導入促進・広域ネットワークの構築の3本が並ぶ。しかし目標値として設定された成果指標はコミュニティバス利用者数133千人→158千人の1本のみである、という事実がある。都市計画道路の整備や無電柱化、老朽化した道路構造物の長寿命化、関西国際空港への広域アクセス向上といった取組の進捗は、この指標のどこで測られるのだろうか。


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