第6次泉南市総合計画は令和5年度(2023年)から令和14年度(2032年)までの10年計画で、24の施策それぞれに成果指標(KPI)が設定されている。gikai.shizuku.netでは施策1から順に、現状値と目標値の関係を確認していくシリーズを継続している。
第4弾は、分野別政策1「『ひと』を育てる・輝かせる」の施策4「就学前教育・学校教育」。
指標と数値
計画本体に記載された成果指標は次の通り。
- 成果指標名:「幼稚園・学校に行くのが楽しいと思う子どもの割合」
- 現状値(令和3年):86.9%
- 目標値(令和14年):90.0%
この86.9%には、計画本文に注記がある。「幼稚園児98.9%・小学生84.0%・中学生77.8%の平均値」という事実がある。
平均の内側にある21.1ポイントの差
3つの内訳を目標値90.0%と比べると、次の事実がある。
- 幼稚園児:98.9%(目標を8.9ポイント上回っている)
- 小学生:84.0%(目標に6.0ポイント届いていない)
- 中学生:77.8%(目標に12.2ポイント届いていない)
幼稚園児と中学生の差は21.1ポイントで、これは施策1〜3の現状値と目標値の差(3〜5ポイント程度)より大きい。全体の現状値86.9%と目標値90.0%の差は3.1ポイントだが、この3.1ポイントという数字だけを見ると、幼稚園児がすでに目標を超えていることも、中学生が目標まで12.2ポイント離れていることも見えない、という事実がある。
単一の目標値は、どの学年に向けて置かれているのか
計画に設定された目標値は90.0%の一つだけで、幼稚園児・小学生・中学生それぞれの学年別の目標値は設定されていない。学年が上がるにつれて「楽しい」と答える割合が下がるという内訳が計画本文に記載されている一方で、進捗を測る成果指標は3学年をならした一つの数字に集約される、という事実がある。
計画が挙げる課題との接続
計画本文の「施策に関する主な課題」には、次の記述がある。
- 児童生徒数の減少に伴い、学校の小規模化・単学級化の進行が見込まれるため、学校規模の適正化が必要です。
- 多様な学びやICTの活用等、教育環境の変化に対応することができる教職員の育成が必要です。
- 行政と学校だけでなく、家庭や地域等も含めた教育を取り巻く環境を、地域ぐるみで整備することが必要です。
- 多様化する人権課題について、小中9年間での系統的な学習を行うことが必要です。
学校規模の適正化や教職員育成、人権教育の系統化といった課題は計画本文に記載されているが、これらの進捗を個別に追跡する数値目標は成果指標としては設定されていない。10年間で追跡されるのは「幼稚園・学校に行くのが楽しいと思う子どもの割合」という満足度の平均値のみである、という事実がある。
令和5年度以降の実績値
令和5年度・6年度の実績値が公表されているかどうかについて、本シリーズで参照できた一次資料の範囲では裏付けが取れなかった。泉南市の行政評価結果報告書のうち今回確認できたのは総合的政策(施策20〜23)分のみで、分野別政策1(施策1〜6)の実績更新データは含まれていない。
一次資料
- 第6次泉南市総合計画 基本計画(分野別政策1):https://www.city.sennan.lg.jp/material/files/group/4/khonnkeikaku1.pdf
- 第6次泉南市総合計画 ページ一覧:https://www.city.sennan.lg.jp/kakuka/gyouseikeiei/seisakusuishin/seisaku/seisakukeikaku/sogokeikaku/1455072819355.html
幼稚園児・小学生・中学生という3つの異なる数字を一つに均した86.9%という現状値の上に、90.0%という単一の目標値が置かれている。学年が上がるほど「楽しい」という回答が減っていくという内訳を、泉南市はこの先の10年、どの学年に向けて追いかけていくのだろうか。


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