泉南市総合計画KPI解説 第10弾:「従業者数」23,862人→24,000人の伸びは、直近5年の実績と比べてどうか

泉南市総合計画KPI解説シリーズ第10弾(雇用)のアイキャッチ画像 総合計画KPI解説

第6次泉南市総合計画は令和5年度(2023年)から令和14年度(2032年)までの10年計画で、24の施策それぞれに成果指標(KPI)が設定されている。gikai.shizuku.netでは施策1から順に、現状値と目標値の関係を確認していくシリーズを継続している。

第10弾は、分野別政策2「『しごと』を生み出す・にぎわいを創出する」の施策10「雇用」。

指標と数値

計画本体に記載された成果指標は次の通り。

  • 成果指標名:「従業者数(経済センサス)」
  • 現状値(令和3年):23,862人
  • 目標値(令和14年):24,000人

計画には参考値として、平成24年23,611人、平成28年23,101人という数値も併記されている。

現状値から目標値までの伸びは138人で、増加率にすると約0.6%にあたる。これまで確認してきた施策1(現状値比+約6.0%)、施策2(+約14.6%)、施策3(+約3.3%)、施策4(+約3.6%)、施策5(+50.0%)、施策6(+約27.1%)、施策7(+400%)、施策8(+約11.7%)、施策9(+約5.5%)と並べると、施策10の伸び率はこのシリーズの中で最も小さい、という事実がある。

参考値と現状値を比較すると、平成24年から平成28年までの4年間では510人(約2.2%)の減少、平成28年から令和3年までの5年間では761人(約3.3%)の増加という事実がある。目標値24,000人が求める138人増(約0.6%増)を令和14年までの11年間で達成するペースは、直近の5年間(平成28年→令和3年)に実際に生じた増加率(約3.3%)と比べると緩やかな水準にとどまる、という事実がある。

この指標は何を測っているか

計画には、この施策の「目指すまちの姿」として「新たな雇用の創出による就業機会の拡充と雇用環境の改善により、地元で安心して働くことができるまち」が掲げられ、具体的な取組として次の2本柱が示されている。

  • ①雇用・就業支援の推進(農漁業・商工業・観光振興や企業誘致による多様な雇用機会・働く場所の創出、就労相談による支援、商工会と連携した家賃補助や空き店舗と新規事業者のマッチング等のソフト支援策の充実)
  • ②労働環境の充実(労働相談・法律相談による問題解決支援、商工会や企業が実施する福利厚生事業の支援、労働条件向上に向けた企業への啓発)

「従業者数(経済センサス)」は、市内に居住する人の就業者数ではなく、市内の事業所において働いている人の数を経済センサスの調査に基づいて数えたものである、という事実がある。

施策の背景として挙げられていること

「施策に関する主な泉南市の取組状況・背景」には、次の記述がある。

  • 生産年齢人口は平成8(1996)年以降減少を続けている中、完全失業率は低下している一方、社会情勢の変化により、契約社員やパート・アルバイトといった非正規雇用者が増加を続けており、今後、失業者の増加が懸念されています。
  • 本市では、就職等をきっかけとする20代での転出超過が大きくなっています。
  • 就労支援相談員による就労相談・支援や関係機関との連携により、就労機会を創出するとともに、社会保険労務士による労働相談や弁護士による無料法律相談により、労働環境の改善に向けた取組を行っています。

計画本文自体が、非正規雇用者の増加と20代の転出超過という、従業者数の押し下げ要因となりうる動きを明記している、という事実がある。

課題として挙げられていること

「施策に関する主な課題」には、次の記述がある。

  • 様々な世代が市内で働きたいと思える環境づくりが必要です。
  • 労働環境の向上に向けた各種制度の普及や企業の福利厚生の向上を促進する必要があります。

実績の推移は確認できるか

令和5年度・6年度の実績値が公表されているかどうかについて、本シリーズで参照できた一次資料の範囲では裏付けが取れなかった。泉南市の行政評価結果報告書のうち今回確認できたのは総合的政策(施策20〜23)分のみで、分野別政策2(施策7〜10)の実績更新データは含まれていない。

一次資料

平成28年から令和3年にかけての5年間で761人(約3.3%)増えてきた従業者数を、令和14年までの11年間ではその5分の1以下のペース(約0.6%増)でしか見込んでいない目標値になっている。この増加ペースの想定は、非正規雇用の増加や20代の転出超過という同じ計画本文が挙げる逆風を踏まえた慎重な見積もりなのか、それとも別の根拠によるものなのだろうか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました