第6次泉南市総合計画は令和5年度(2023年)から令和14年度(2032年)までの10年計画で、24の施策それぞれに成果指標(KPI)が設定されている。gikai.shizuku.netでは施策1から順に、現状値と目標値の関係を確認していくシリーズを継続している。
第7弾は、分野別政策2「『しごと』を生み出す・にぎわいを創出する」の施策7「農業・漁業」。
指標と数値
計画本体に記載された成果指標は次の通り。
- 成果指標名:「地域ブランド品目数」
- 現状値(令和3年):1品目
- 目標値(令和14年):5品目
現状値から目標値までの伸びは4品目で、増加率にすると400%にあたる。これまで確認してきた施策1(現状値比+約6.0%)、施策2(+約14.6%)、施策3(+約3.3%)、施策4(+約3.6%)、施策5(+50.0%)、施策6(+約27.1%)のいずれよりも大きく、このシリーズでこれまで確認した中では最大の伸び率になっている、という事実がある。
この指標は何を測っているか
計画には、この施策の「目指すまちの姿」として「自然の恵みがいかされ、農業・漁業が活気にあふれるまち」が掲げられ、具体的な取組として次の2本柱が示されている。
- ①農漁業の振興(農業用道路・農業用水路等の維持保全、遊休農地の貸借促進、農作物・水産物の販路確保、地域ブランド品の開発・展開、漁業協同組合等との連携強化、地産地消の推進)
- ②農漁業の担い手確保・育成(泉南農業塾の拡充、就農希望者の受け入れ策の検討、農漁業体験等、移住者への支援)
「施策に関する主な泉南市の取組状況・背景」には、「産官学連携による『泉南あなご』等、地域ブランド品目を開発しています」という記述がある。現状値の「1品目」がどの品目を指すのか、また「泉南あなご」がその1品目に含まれるのか、それとも開発途上の取組として別枠で紹介されているのかは、今回参照した基本計画の本文からは判別できない、という事実がある。
「地域ブランド品目」の認定基準は書かれているか
計画本文には、何をもって「地域ブランド品目」とカウントするのかという定義・認定基準の記載は、今回参照した範囲では見当たらない。品目数を4倍に増やすという10年間で最大の伸び率を掲げる指標でありながら、何が1品目として数えられ、何が数えられないのかという基準は明示されていない、という事実がある。
課題として挙げられていること
「施策に関する主な課題」には、次の記述がある。
- 農業者の高齢化、農道やため池等の農業基盤の老朽化に伴い、後継者不足や遊休農地の増加が課題となっています。
- 現行の地域ブランド品の知名度向上及び新たな地域ブランド品の開発が必要です。
- 生産性の高い農漁業の確立等による新たな担い手の確保・育成が必要です。
課題の記述では「新たな地域ブランド品の開発が必要」とされているが、10年間でいくつ開発する計画なのか、年度ごとの内訳や工程は、今回参照した基本計画の本文には記載がない。
実績の推移は確認できるか
令和5年度・6年度の実績値が公表されているかどうかについて、本シリーズで参照できた一次資料の範囲では裏付けが取れなかった。泉南市の行政評価結果報告書のうち今回確認できたのは総合的政策(施策20〜23)分のみで、分野別政策2(施策7〜10)の実績更新データは含まれていない。
一次資料
- 第6次泉南市総合計画 基本計画(分野別政策2):https://www.city.sennan.lg.jp/material/files/group/4/kihonnkeikaku2.pdf
- 第6次泉南市総合計画 ページ一覧:https://www.city.sennan.lg.jp/kakuka/gyouseikeiei/seisakusuishin/seisaku/seisakukeikaku/sogokeikaku/1455072819355.html
1品目から5品目へ、10年でこれまでのシリーズ最大となる400%の伸びを掲げながら、何が「地域ブランド品目」としてカウントされるのかという基準は計画本文に見当たらない。この指標が達成されたと判定されるとき、それはどのような基準で、どの品目が数えられた結果なのだろうか。


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