gikai.shizuku.netの財政資料を読み解くシリーズ第9弾。第8弾では、「泉南市中期財政計画(令和8年度~令和12年度、令和7年11月公表)」が投資的経費「大幅な増加」の要因として名指しした3事業(し尿処理施設の建替、小中学校の再編、清掃工場の新炉建設)のうち、令和7年度泉南市予算のあらましで前年度比の増減を確認できたのは2事業で、増額していたのは小中学校の再編関連のみだった、という事実を確認した。第9弾は、「令和7年度泉南市予算のあらまし」の「主な普通建設事業等」一覧に載る事業すべてを対象に、投資的経費91.9%増の内訳を確認する。
「主な普通建設事業等」一覧、増加額が最大なのは防災用広報システム整備事業
「令和7年度泉南市予算のあらまし」の「主な普通建設事業等」一覧には22事業が記載されており、令和7年度予算と令和6年度予算を比較できる、という事実がある。このうち令和7年度予算から令和6年度予算を引いた増加額が最も大きいのは、総務費関係の防災用広報システム整備事業で、令和6年度予算2,234万1千円から令和7年度予算4億1,963万3千円へ、3億9,729万2千円(約17.8倍)増額している、という事実がある。
これに次ぐのが教育費関係の義務教育学校施設整備事業(令和6年度予算0円から令和7年度予算3億8,836万円)で、3番目が同じく教育費関係の小中学校施設整備事業(令和6年度予算2億9,028万8千円から令和7年度予算6億2,240万円、3億3,211万2千円増)である、という事実がある。防災用広報システム整備事業の増加額は、この一覧の中で単独では最大であり、小中学校施設整備事業や義務教育学校施設整備事業の増加額を上回っている、という事実がある。
学校関連3事業を合算すると増加額の半分超
一覧のうち教育費関係の義務教育学校施設整備事業(3億8,836万円増)、小中学校施設整備事業(3億3,211万2千円増)、旧小学校整備事業(令和6年度予算1,150万円から令和7年度予算1億4,315万円へ、1億3,165万円増)の3事業を合算すると、増加額は8億5,212万2千円になる、という事実がある。一覧に記載された22事業の増加額の合計(後述)に対して、この学校関連3事業の合計は半分を超える規模である、という事実がある。
一覧22事業の増加額合計は、投資的経費全体の増加額と一致しない
「主な普通建設事業等」一覧に記載された22事業について、令和7年度予算の合計から令和6年度予算の合計を引くと、増加額は15億9,061万1千円になる、という事実がある。一方、「令和7年度泉南市予算のあらまし」が示す投資的経費全体の増加額は15億6,699万1千円であり、両者の間には約2,362万円の差がある、という事実がある。同資料はこの一覧を「主な普通建設事業等」と表記しており、一般会計予算に計上された普通建設事業のすべてを網羅した一覧ではない可能性がある。この差がどの事業によるものかは、「令和7年度泉南市予算のあらまし」からは確認できなかった。
中期財政計画の本文に、防災用広報システム整備事業への言及は見当たらない
「泉南市中期財政計画(令和8年度~令和12年度、令和7年11月)」は、投資的経費の「大幅な増加」の要因として、本文の「投資的経費の推移」の項目で「し尿処理施設の建替や小中学校の再編」を、「今後の課題」の項目で「し尿処理施設の建替や小中学校の再編、清掃工場の新炉建設」を、それぞれ挙げている、という事実がある。同計画の本文中に、防災用広報システム整備事業という名称、またはこれに対応すると読める事業への言及は見当たらない、という事実がある。
令和7年度泉南市予算のあらましが示す「主な普通建設事業等」一覧の中で、令和6年度から令和7年度への増加額が単独で最大だったのは防災用広報システム整備事業であり、中期財政計画が投資的経費「大幅な増加」の要因として名指ししたのは、これとは異なる3事業だった、という事実がある。中期財政計画は、なぜ増加額が単独で最大だった事業を、投資的経費の増加要因として挙げなかったのだろうか。
一次資料
令和7年度泉南市予算のあらまし:
https://www.city.sennan.lg.jp/material/files/group/7/r7aramashi.pdf
令和7年度予算のあらまし 掲載ページ:
https://www.city.sennan.lg.jp/kakuka/soumu/zaisei/zaisei/yosan/yosanaramashi/10149.html
泉南市中期財政計画(令和8年度~令和12年度、令和7年11月):
https://www.city.sennan.lg.jp/material/files/group/7/chuukikeikaku_R7.pdf


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