泉南市財政ウォッチ 第13弾:実質収支は1,762万円→3億1,037万円へ17.6倍、経常収支比率の横ばいとの差は何を映しているか

泉南市財政ウォッチ

gikai.shizuku.netの財政資料を読み解くシリーズ第13弾。第2弾では決算カードの「経常収支比率」を取り上げ、令和6年度実績98.2%が目標95.3をなお上回っている、という事実を確認した。今回は同じ決算カードに記載されている「実質収支」の金額そのものを確認する。

実質収支は1,762万円から3億1,037万円へ

決算カードの「歳入歳出差引額」(ⓒ)から「翌年度へ繰り越すべき財源」(ⓓ)を差し引いた「実質収支」(ⓔ)は、令和5年度決算カードで17,618千円(ⓒ59,599千円-ⓓ41,981千円)、令和6年度決算カードで310,369千円(ⓒ330,033千円-ⓓ19,664千円)と記載されている、という事実がある。この金額は、泉南市財政課が作成する「財政の見える化」令和5年度決算版に記載された「実質収支1,762万円の黒字」という記述とも一致する。1年間で実質収支の黒字額は約17.6倍に拡大した、という事実がある。

経常収支比率の変化は、それに比べると小さい

本シリーズ第1弾・第2弾で確認した経常収支比率は、令和5年度決算カードで101.2%、令和6年度決算カードで98.2%であり、1年間の変化は3.0ポイントの改善にとどまる、という事実がある。実質収支の黒字額が17.6倍に拡大した一方で、経常的な歳出に対する歳入の余裕度を示す経常収支比率の改善幅は、それに比べるとはるかに小さい、という事実がある。

「財政の見える化」が示す市債の傾向との食い違い

「財政の見える化」令和5年度決算版「⑥市債の状況」には、地方債現在高について「現在高は、臨時財政対策債をはじめとした特例債を含め、償還額(返済額)の方が発行額(借入額)より多いため、減少傾向にある」との記述がある、という事実がある。一方、決算カードに記載された地方債現在高は、令和5年度末で17,218,562千円、令和6年度末で17,290,185千円であり、この1年間で71,623千円増加している、という事実がある。

職員数と人件費も増加

決算カードに記載された職員数は、令和6年4月1日時点で374人、令和7年4月1日時点で383人であり、9人増加している、という事実がある。同じ決算カードの性質別歳出のうち、人件費は4,173,805千円(令和5年度)から4,831,503千円(令和6年度)へ増加している、という事実がある。

問い

経常収支比率の改善幅が小さく、地方債現在高も職員数も減っていないにもかかわらず、実質収支の黒字額だけが17.6倍に拡大した背景に何があるのかは、本稿の範囲では確認できていない。歳入・歳出のどの項目の変化が、この差を生んでいるのだろうか。

一次資料
令和5年度決算カード:
https://www.city.sennan.lg.jp/material/files/group/7/kessancard.pdf

令和6年度決算カード:
https://www.city.sennan.lg.jp/material/files/group/7/kessancard_r6.pdf

財政の見える化(令和5年度決算):
https://www.city.sennan.lg.jp/material/files/group/7/zaiseimieruka_r5.pdf

コメント

タイトルとURLをコピーしました