gikai.shizuku.netの財政資料を読み解くシリーズ第18弾。今回は「公債費」を取り上げる。泉南市中期財政計画(令和8年度~令和12年度、令和7年11月策定)は、公債費について「近年は減少傾向で推移している」「今後は…増加に転じることが予想される」と記している、という事実がある。この記述を、各年度の決算カードと、計画の財政収支見通しの表で確認する。
決算カードでは、公債費は令和4年度の27.8億円から令和6年度の24.1億円へ減っている
泉南市の決算カード(性質別歳出の公債費)には、令和元年度から令和6年度にかけて、次の決算額が記載されている、という事実がある。
- 令和元年度:2,553,038千円(構成比11.0%)
- 令和2年度:2,529,291千円(8.4%)
- 令和3年度:2,739,414千円(10.3%)
- 令和4年度:2,780,047千円(10.5%)
- 令和5年度:2,472,458千円(8.8%)
- 令和6年度:2,406,194千円(8.5%)
令和4年度をピークに、令和5年度・令和6年度と2年続けて減少している、という事実がある。
中期財政計画の見通しでは、令和12年度に25.6億円と記載されている
中期財政計画の歳出の表(単位:百万円)には、公債費が令和6(2024)年度から令和12(2030)年度にかけて、2,406→2,373→2,401→2,418→2,564→2,578→2,556と記載されている、という事実がある。単位を億円に換算すると、24.1億円→23.7億円→24.0億円→24.2億円→25.6億円→25.8億円→25.6億円である。令和7年度を底に、令和10年度に前年度比で1.46億円(2,418→2,564百万円)増える見通しになっている、という事実がある。
内訳では、臨時財政対策債分が減り、「その他交付税非算入分」が増える
同じ表の公債費の内訳(うち書き)を見ると、令和6年度から令和12年度にかけて、次のように記載されている、という事実がある。
- うち臨時財政対策債:1,012→998→972→942→911→878→791(百万円)
- うちその他交付税非算入分:867→869→854→900→1,072→1,079→1,105(百万円)
計画の用語解説には、臨時財政対策債の元利償還金相当額は全額が後年度に地方交付税の基準財政需要額に算入される、と記載されている、という事実がある。一方、「その他交付税非算入分」の名称のとおり、こちらは同じ説明の対象になっていない区分として表に並んでいる、という事実がある。
地方債の発行額は、令和7年度以降に大きく増える見通しになっている
歳入の表には、地方債(普通建設事業債)が令和6年度766百万円に対し、令和7年度以降は2,154→2,529→2,701→1,713→3,292→3,153(百万円)と記載されている、という事実がある。計画は、その背景として老朽化した公共施設の更新や長寿命化、小中学校の再編などを挙げ、また泉南清掃事務組合の新炉建設に係る地方債の償還期間を30年(据え置き5年)と見込んで負担金を算出している、と記している、という事実がある。
問い
計画の文章は公債費が「増加に転じる」と述べているが、表の数値では令和6年度の24.1億円から令和12年度の25.6億円へ、6年間で1.50億円の増加にとどまる。その一方で、地方債の発行額は令和6年度の7.66億円から、令和11年度には32.92億円が見込まれている。発行額の増加に比べて公債費の増え方が小さく見えるのは、償還期間や据え置き期間の設定によるものなのか。令和12年度より後の公債費は、計画のどこで確認できるのか。また、内訳の「その他交付税非算入分」が令和6年度867百万円から令和12年度1,105百万円へ増えることは、実質公債費比率の見通しにどう表れるのか。確認する必要があるのではないか。
一次資料
- 泉南市中期財政計画(令和8年度~令和12年度、令和7年11月):https://www.city.sennan.lg.jp/material/files/group/7/chuukikeikaku_R7.pdf
- 令和元年決算カード(泉南市):Google Drive
- 令和2年決算カード(泉南市):Google Drive
- 令和3年決算カード(泉南市):Google Drive
- 令和4年決算カード(泉南市):Google Drive
- 令和5年決算カード(泉南市):Google Drive
- 令和6年決算カード(泉南市):Google Drive


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