泉南市財政ウォッチ 第3弾:資産老朽化比率、令和6年度実績70.2%はR5年度71.8%から改善も、目標64.1%にはなお届かず

泉南市財政ウォッチ

gikai.shizuku.netの財政資料を読み解くシリーズ第3弾。第1弾では、第6次泉南市総合計画 施策23「行財政運営」の2つの成果指標のうち、令和6年度行政評価結果報告書に記載された指標2「有形固定資産減価償却率(資産老朽化比率)」の令和4年度実績(70.9%)を取り上げた。第2弾では指標1「経常収支比率」の令和6年度実績を突き合わせたが、指標2には触れていない。その後発行された「広報せんなん」の財政書類公表特集号に、指標2の令和5年度・令和6年度実績が記載されている、という事実がある。第3弾は、この新しい実績値を確認する。

指標2(再掲):資産老朽化比率

施策23の成果指標2「有形固定資産減価償却率(資産老朽化比率)」は、基準値(令和3年度)69.6%、目標値は「大阪府内市町村の平均値」とされている。令和6年度行政評価結果報告書には、目標値の算定方法について次の記載がある。

「大阪府内市町村の平均値(前年度)を目標値とする(各年度の数値が発表されるまでは、暫定的に令和3年度の数値を目標値とする。)実績値は、直近の令和4年度数値とする。」

この記載にある通り、府内平均の最新値が発表されるまでは、令和3年度の数値64.1%が暫定目標として使われている、という事実がある。

広報せんなんに記載された実績の推移

「広報せんなん」は年に一度、財政書類公表の特集ページで、本市の財務書類から算出した各種指標を掲載している。有形固定資産減価償却率(資産老朽化比率)について、直近3回の特集号の記載は次の通り。

  • 令和6年2月号(第704号、令和4年度決算分):70.9%(第1弾で確認済み)
  • 令和7年3月号(第717号、令和5年度決算分):71.8%(前年度分として70.9%と併記)
  • 令和8年2月号(第728号、令和6年度決算分):70.2%(前年度分として71.8%と併記)

いずれの号も、指標の説明として「この比率が100%に近いほど老朽化の程度が高いことを示しています。35~50%が平均的な値とされていることから、本市の公共施設などの資産は老朽化が進んでいると言えます。」と記載している、という事実がある。

基準値・暫定目標との比較

令和6年度実績70.2%は、令和5年度実績71.8%と比べれば1.6ポイントの改善である。一方、計画策定時の基準値(令和3年度)69.6%と比べると0.6ポイント上回り、暫定目標としている令和3年度府内平均64.1%と比べると6.1ポイント上回っている、という事実がある。基準値・暫定目標のいずれも上回った状態が、少なくとも令和4・5・6年度の3年度分続いている。

中期財政計画・決算のあらましには記載なし

第2弾で確認した「泉南市中期財政計画(令和8年度~令和12年度)」と「泉南市の財政状況について(令和6年度決算のあらまし)」には、経常収支比率・実質公債費比率・将来負担比率の推移は記載されているが、有形固定資産減価償却率(資産老朽化比率)への言及はない、という事実がある。施策23の2つの公式KPIのうち、この指標の実績を確認できる資料は、現時点では広報せんなんの特集記事に限られている。

一次資料

資産老朽化比率が、財政運営を判断する主要な計画資料からは外れたまま、広報誌の特集記事でのみ実績が更新され続けている状態に対し、次の行政評価結果報告書ではこの指標がどのように扱われるのだろうか。

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