泉南市財政ウォッチ 第15弾:地方債残高比率は180.1%→169.0%→155.0%で3年連続改善、中期財政計画は令和7年度以降の地方債発行急増を見込む

泉南市財政ウォッチ

gikai.shizuku.netの財政資料を読み解くシリーズ第15弾。第1弾では総合計画・施策23「行財政運営」の成果指標である経常収支比率を起点に、財政資料集の各指標を確認してきた。第14弾で取り上げた泉南市中期財政計画(令和8年度~令和12年度、令和7年11月策定)の「財政運営判断指標」5指標のうち、経常収支比率・財政調整基金比率・実質公債費比率・将来負担比率はこれまでの本シリーズで扱ってきたが、残る「地方債残高比率」は単独では取り上げていなかった。今回はこの指標を確認する。

地方債残高比率は3年連続で「改善」評価

中期財政計画11ページの「財政運営判断指標」には、地方債残高比率が令和4年度180.1%、令和5年度169.0%、令和6年度155.0%と記載されており、同計画はこの推移について「改善」と評価している、という事実がある。同計画は令和5年度から令和6年度への改善の理由について、「分母である標準財政規模は増額となり、また、分子である地方債残高が、地方債発行額が元金償還額以下であったことにより減少したため」と説明している、という事実がある。

指標の定義

同計画11ページには、地方債残高比率について「標準的な1年間の収入に対して、地方債の残高がどの程度の割合であるかを示す比率で、地方債残高の度合いを見るための指標」と記載されており、計算式は「地方債残高/標準財政規模×100%」とされている、という事実がある。

同じ計画が示す将来見通しでは、地方債の発行額が急増する計画になっている

同計画3ページの「財政収支見通し」には、地方債の発行額が令和6年度766百万円に対し、令和7年度2,154百万円、令和8年度2,529百万円、令和9年度2,701百万円、令和10年度1,713百万円、令和11年度3,292百万円、令和12年度3,153百万円と記載されている、という事実がある。令和7年度以降の各年度の発行額は、いずれも令和6年度実績の2倍を超えている、という事実がある。同じ表には、標準財政規模が令和6年度144.64億円から令和12年度147.05億円へ、2.41億円(+1.7%)増加する見込みであることも記載されている、という事実がある。

地方債現在高の見込みも、令和7年度を底に増加に転じる

同計画9ページの「地方債現在高の実績と今後の見込み」には、地方債現在高が令和6年度224.2億円、令和7年度223.2億円、令和8年度225.8億円、令和9年度230.1億円、令和10年度223.4億円、令和11年度232.5億円、令和12年度240.8億円と記載されている、という事実がある。令和7年度の223.2億円を底に、令和12年度には240.8億円まで17.6億円(+7.9%)増加する見込みとなっている、という事実がある。

問い

直近3年間(令和4~6年度)の決算実績では、地方債残高比率は分子(地方債残高)の減少と分母(標準財政規模)の増加が重なり、3年連続で改善と評価された。しかし同じ計画が示す令和7年度以降の見通しでは、地方債残高が令和7年度を底に増加に転じる一方、標準財政規模の伸びはそれよりも緩やかであると見込まれている。この分子と分母の伸び方の差が、今後の地方債残高比率にどう影響するのかは、本稿が参照した「財政運営判断指標」表(令和4~6年度の実績のみを掲載)からは確認できない。この指標が来年度以降の決算でどう評価されるのかは、改めて確認する必要があるのではないか。

一次資料
泉南市中期財政計画(令和8年度~令和12年度、令和7年11月):
https://www.city.sennan.lg.jp/material/files/group/7/chuukikeikaku_R7.pdf

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