gikai.shizuku.netの財政資料を読み解くシリーズ第11弾。第10弾では決算カードの「財政力指数」と「実質公債費比率(3ヵ年平均)」を取り上げた。今回はまず、その第10弾で提示した数値のうち一点を決算カード原本と突き合わせて確認し、その上で第10弾では扱わなかった「将来負担比率」を確認する。
第10弾の「実質公債費比率」の数値について
令和5年度・令和6年度の決算カードを原本のレイアウトで確認したところ、決算カードには「指数等」欄の実質収支比率と、「健全化判断比率」欄の実質公債費比率(3ヵ年平均)という、紙面上近接した位置に別々の数値が記載されている、という事実がある。第10弾で実質公債費比率(3ヵ年平均)として提示した令和5年度0.12%・令和6年度2.15%という数値は、「指数等」欄の実質収支比率の数値と一致する。「健全化判断比率」欄に記載された実質公債費比率(3ヵ年平均)は、令和5年度決算カードで8.6%、令和6年度決算カードで8.1%である、という事実がある(令和3・4年度分の数値は本稿では確認していない)。
将来負担比率は令和5年度40.9%から令和6年度31.7%へ
決算カードの「健全化判断比率」欄には、実質赤字比率・連結実質赤字比率・実質公債費比率(3ヵ年平均)・将来負担比率の4指標が並ぶ。このうち実質赤字比率と連結実質赤字比率は、令和5年度・令和6年度とも「-(該当なし)」の表記である、という事実がある。将来負担比率は、令和5年度決算カードで40.9%、令和6年度決算カードで31.7%と記載されている、という事実がある。
早期健全化基準との比較
地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づく早期健全化基準は、市区町村の実質公債費比率で25%、将来負担比率で350%である。泉南市の実質公債費比率(3ヵ年平均)8.1%、将来負担比率31.7%は、いずれもこの基準を下回る水準にある、という事実がある。
資産老朽化比率との関係
将来負担比率は、地方債残高や債務負担行為額、退職手当支給予定額などの将来の財政負担見込み額から、基金など充当可能な財源を差し引いた額を標準財政規模で除して算出される指標であり、公共施設の更新・老朽化対策に伴う将来の負担とも関係する。本シリーズ第3弾・第6弾で確認した「資産老朽化比率(有形固定資産減価償却率)」――第6次泉南市総合計画・施策23のもう一つの成果指標――は、大阪府内市町村平均という目標値に対して、大きな改善が確認できていなかった。将来負担比率が1年で40.9%から31.7%へと下がる一方、資産老朽化比率の改善が乏しいという、この2つの数値がどのような関係にあるのかは、本稿の範囲では確認できていない。将来の財政負担の軽減と、公共施設の老朽化対策は、同じペースで進んでいるのだろうか。
一次資料
令和5年度決算カード:
https://www.city.sennan.lg.jp/material/files/group/7/kessancard.pdf
令和6年度決算カード:
https://www.city.sennan.lg.jp/material/files/group/7/kessancard_r6.pdf
総務省「早期健全化基準と財政再生基準」:
https://www.soumu.go.jp/iken/zaisei/kenzenka/index3.html
第6次泉南市総合計画・施策23(資料編):
https://www.city.sennan.lg.jp/material/files/group/4/sougoukeikakushiryou.pdf


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